筋トレをして筋肉痛がこないと不安になったことはありませんか?それは筋肉への刺激が足りず、成長しないのではないかと感じるからでしょう。
結論から言うと、筋肉痛がなくても筋肉は成長していると考えられています。しかし注意すべき点もあるため、今回は注意点も踏まえて詳しく解説します。
そもそも筋肉痛とは?
筋肉痛は現在の通説によると、運動で筋肉が傷つき、その傷ついた部分に痛みを感じる物質が発生することで筋肉痛になると言われています。
しかし、筋肉痛は医学的に完全に解明されているわけではありません。かつては運動による「乳酸」の蓄積が筋肉痛の原因とされていましたが、現在では乳酸は直接的な原因ではないとされています。
トレーニングで筋肉が成長するには
筋肉痛が起きたからと言って筋肉の成長に直接繋がるわけではありません。適切な食事、十分な睡眠をとらずにいると、筋肉の成長を妨げてしまいます。
逆にトレーニングをして筋肉痛が起きていないからといって、筋肉が成長しないとは限りません。(詳しくはここでは割愛しますが、肩には持久力のある筋肉が多いため)例えば、肩の筋肉は筋肉痛が起きにくいと言われていますが、強度を掛けたトレーニングをすればちゃんと筋肉は成長します。
筋トレの目安は「週の総負荷量」決めよう
筋肉が成長するのは週の総負荷量で決まるとされています。総負荷量とは、重量×回数×セット数です。そして総負荷量を週に何回こなしたかが、週の総負荷量になります。
週の総負荷量が同じであれば、回数やセット数が異なっても問題ありません。
週の総負荷量4500と仮定して、トレーニングを行う日を週2日と週3日で例を挙げてみましょう。
週2日トレーニングした際の総負荷量
週に2回、スクワット75㎏を10回3セット行うとします。
この場合、週の総負荷量は、
75kg × 10回 × 3セット × 週2回
で、4500になります。
週3日トレーニングした際の週の総負荷量
別の週にその日は体調不良で、75㎏を10回1セット行ったとします。この場合、総負荷量は750となります。
75kg × 10回 × 1セット = 750
別の日にスクワット50㎏を10回3セット行った場合、総負荷量は1500となります。
50kg × 10回 × 3セット = 1500
体調が回復した別の日にスクワット75㎏を10回3セット行うと、総負荷量は2250となります。
75kg × 10回 × 3セット = 2250
3日分を計算すると週の総負荷量は4500になります。
750 + 1500 + 2250 = 4500
このように体調不良や時間のない日があっても、後日トレーニングの重量やセット数を調整することで、週の総負荷量を保つことができます。
なので筋肉痛がなくても、週単位で考え、後日のトレーニングを調整することで筋肉は成長します。
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
週2回 | 2250 | 2250 | |||||
週3回 | 750 | 1500 | 2250 |
注意点:筋肥大と筋力増強の違いとは
筋肉の成長には、筋肥大と筋力増強の2種類があります。
筋肥大を目的とする場合は総負荷量の重量部分を調整可能ですが、筋力増強を目的とする場合は高強度(1RMの70%以上)で初心者の場合8回~12回を目安にトレーニングすることが基本です。重量を減らして回数とセット数で補っても、筋力増強は期待できません。
例えば、総負荷量を2250とした場合、以下のように説明できます。
重量75㎏を10回3セット行うと
75 × 10 × 3 = 2250
重量50㎏を15回3セット行った場合
50 × 15 × 3 = 2250
どちらも総負荷量は2250ですが、50㎏で行う場合は軽い重量を15回と多くこなすことで総負荷量を満たしています。しかし、高強度ではないため、筋肥大は見込めますが筋力増強は期待できません。
つまり筋肥大と筋力増強どちらも考慮するなら、自ずと高強度でトレーニングをしなければなりません。
筋肉の成長を起こしやすい動作がある?
週の総負荷量を十分に行っているにもかかわらず、筋肥大や筋力増強が停滞している場合、ポジティブ動作はできているが、ネガティブ動作を疎かにしている可能性があります。
ネガティブ動作ではポジティブ動作に比べて、約1.2倍から1.4倍の力を発揮できると言われています。つまり、それだけ筋肉に刺激が入ります。
通常通りにスクワットを10回できても、ゆっくりしゃがむと5回~6回しかできなくなるはずです。立ち上がるときは時間をかけずに、しゃがむときは5秒を目安に行いましょう。
ネガティブ動作を疎かにし、重力に任せてダンベルやバーベルを下げると、止める際に腱や筋肉に負担がかかりケガの原因になります。ケガ予防の観点からもネガティブ動作を意識しましょう。
まとめ
筋肉痛がなくても筋肉は成長しますが、そのためには以下の点を意識することが重要です。
1.総負荷量の管理:筋肉の成長は週の総負荷量で決まります。週のトレーニング日数が異なっても、総負荷量が同じであれば問題ありません。例えば、週2回のトレーニングでも、週3回のトレーニングでも、総負荷量が4500であれば、筋肉は成長します。
2.筋肥大と筋力増強の違い: 筋肥大とは筋肉の束が大きくなり、体積が増加することを指します。一方、筋力増強は筋肥大した筋肉に神経の働きが向上し、より大きな力を発揮できるようになることです。筋力増強を目指す場合、高強度のトレーニングが必要です。
3.ネガティブ動作の重要性: 筋肉の成長を促進するためには、ポジティブ動作だけでなくネガティブ動作も意識することが重要です。ネガティブ動作は筋肉により大きな刺激を与え、成長を促進します。
4.バランスの取れたトレーニング: 筋肉痛がないからといって、トレーニングが効果的でないとは限りません。適切な負荷をかけたトレーニングと十分な休息、バランスの取れた食事が筋肉の成長には必要です。
これらのポイントを意識して、筋トレを続けることで、より効率的に筋肉を成長させることができます。筋肉痛がなくても、不安になることはありません。自分のペースで継続し、健康的な体作りを目指しましょう。
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